旭川 道 北

生まれ変わった旭川駅(その外観・内観・ホーム・構内紹介)

2012年1月15日

北海道の、旭川駅が新しくなりました。

このお正月に、帰省したのですが、立派な建造物として生まれ変わっていました。

以前の駅舎から比べると、大きな変貌を遂げています。

今回は、たくさんの写真を交えて、紹介します。

旭川駅(あさひかわえき)は、日本最北の有人高架駅です。

島式ホーム3面・単式ホーム1面、合計4面7線のホームを抱えています。

1898年の開業時から数えて4代目の駅舎ということで、

旭川市が進めている駅周辺再開発事業「北彩都あさひかわ整備事業」の一環として建設されました。

以下、駅舎データです。

建築設計:内藤廣建築設計事務所 他
構造設計:川口衞構造設計事務所 他
監修:篠原修(旭川鉄道高架景観検討委員会委員長)、加藤源、大矢二郎(同委員)
施工:清水・熊谷共同企業体
構造:土木高架工作物造(駅舎主要部)、鉄骨造(駅舎の一部および上屋)
階数:地上2階、塔屋1階
高さ:最高高26.3m、軒高22.0m
敷地面積:13,992m2
建築面積:10,632m2
延床面積:13,245m2(1階9,960m2、2階3,285m2)

今回、なんといっても建物としてのみどころは、「四叉柱」と呼ばれる、屋根を支えている柱です。

1・2番ホームおよびその延長線上の高架スラブと、5・6番ホームには、樹木のように枝分かれした四叉柱(鋼管柱)が、それぞれ10基ずつ、計20基設置されています。

この柱によって、ホームを覆う大屋根(重さ2100t超、全長180m、幅60m、高架スラブからの高さ12.5m)を支えているのです。

下記写真参照↓
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駅舎の中には、この四叉柱の、鋳物木型が展示されています。
下記写真参照↓
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各ホームは、基本的に以下のような使い分けがなされています。

1・2 番 ■富良野線 美瑛・富良野方面
3・4 番 ■函館本線 深川・滝川・岩見沢・札幌方面
5・6 番 ■宗谷本線 ■石北本線 名寄・稚内・上川・北見・網走方面
7 番   明確な位置づけはされず、各方面への普通列車発着や貨物列車の待避など柔軟に運用されています。

3・4番ホームにはキヨスクがあります。

また3-6番ホームには特急乗車口案内装置があり、
名寄・上川・富良野方面側にある出発信号機のうち、1・2・3番ホームは、上位に名寄・上川方面、下位に富良野方面の2方向が設置されています(その他のホームは名寄・上川方面のみ設置)。

下記写真は、ホーム内の状況です↓
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内部の、1階の東西2箇所にある改札口と、2階にある連絡通路、連絡通路と各ホームが、それぞれ階段・エスカレーター・エレベーターで結ばれています。

改札口と連絡通路の間の階段に設けられている踊り場には、美術品や工芸品を展示するスペースもあります。

旭川は、家具の街でもありますね。

私が帰省したときには、椅子が展示されていました↓
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コンコースの壁は、木工産業が盛んな旭川市の中心駅にふさわしく、内装には北海道産の木材が多用され、温かみを表現しています。

特に改札内の壁面はタモ材の板に全国から応募した1万人(うち77%が旭川市民)の氏名がアルファベットで刻まれた「ピープル・ウォール」となっています。

これは、一枚のサイズが、長さ83.3cm、高さ75mm、厚さ15mmで、25mmの重ね代部分に木ねじを打ち、

下段から一枚ずつ貼って施工したということです。
(準不燃処理、ウレタン仕上げ)

このタモ材の匂いが、駅構内に入ると、木の香りとして漂ってきて、気持ちがとても安らぐのです。

下記写真参照↓
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また、駅舎内には、卵形のモニュメントが、設置されています。

YASUDA KANさんの作品です。

高さが3m以上あり、独創的な形状をしています。

横に廻ると、卵が細くなり、窓側には意味不明の彫り物が、施してあります↓
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外観は、地上約11メートルに高架化されたホームが、全面ガラス張りカーテンウォールとなったのが最大の特徴です。

南に緑豊かな忠別川、北に買物公園など旭川市中心街が見えます。

買物公園側から、駅裏が、透けて見えるさまは、なかなか感動します↓

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北側は旭川市の都心部で、日本初の終日歩行者天国である平和通買物公園を中心に多くの商業施設や宿泊施設、金融機関などがあり、少し離れると住宅地になります。

この買物公園の幅と、駅高架部柱スパンのコンコース幅は、同じ20mに統一し、動線の連続感を持たしています。

下記写真は、新駅舎より買物公園を望んだ状況です↓
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南側には忠別川が流れており、高架化に合わせて自然を活かした河川空間の整備が進められています。

対岸の神楽地区は大半が住宅地ですが、1980年代以降に「旭川大雪アリーナ」など公共施設が数箇所建設されています。

忠別川越しに見る南側の外観です↓
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今後、駅の南側の広場が完成し、忠別川に面し、河川空間と連携して整備されます。

また、永隆橋通側にはタクシー乗降場が設置され、面積も、高架化前の8,434m2から、約22,000m2に拡大されます。

他に、駐車場や駐輪場、駅周辺に点在するバス停を集約し、バスターミナルが設置されます。

このような、バスターミナル、タクシー乗り場などが、どのように配置されてゆくのか、
また、駅前駐車場が、どのようなシステムになるのか、

工事完全完了の2年後が楽しみです。

新しい駅舎により、年間350万人が乗降する「道北の玄関口 旭川」は、都市と自然の接点をイメージさせる新たな顔に、生まれ変わったといえるでしょう。

今後、さらに駅前の買物公園通りが、賑やかに復活し、市民に親しまれるよう期待します。
旭山動物園も、引き続き人気のスポットでありますように!

 

なお、2011-12-25日発刊の、建築総合情報誌 日経アーキテクチュアに、「駅の復権を街作りの中核に」という記事で、旭川駅の大特集が掲載されています。

美味しい旭川ラーメンも、食べてみて下さい!

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